札幌漫鉄オヤジの鉄写真撮影記 Satsumann's Railroad Photograph Log

国鉄時代に生まれ、当時の車体色を維持する車両を追い回す!

      「 国鉄型車両には、旧態依然スタイルの鉄道写真がよく似合う…」                   Restart 2018/09/10 689400-

【 基本、写真が主、動画が従、のスタンスで撮影しております。悪しからず 】                                      
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【2005/11/21,22】 軍政下のミャンマー国鉄(現役蒸機篇) MyanmarRailways under militarygovernment 2005 #1/3

 月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なりー
 ミャンマー(Myanmar/Burma)情勢が大きく変わっているようです。軍政から民主政府に移管した、とは聞いていたものの、軍政時代にビザを申請して旅した事ある者からすれば、その過程もあってにわかには信じられない話。何しろ旅行後に遷都や反政府デモ弾圧などがあり、「もう二度と彼の地は踏めないかも」とニュースを見て思ってたぐらいですから、「(それからわずかな時間での民主化は)マユツバじゃないの?」というのが軍政ミャンマー経験者同士の共通認識でした。しかしどうでしょう、ちょっとのぞいてみると現在巷のブログには、かの斎藤幹雄御大に刺激されたと思しき「ミャンマー鉄」の記事があふれているではありませんか! これなら被写体を含め、当時お世話になった方々へ(当局による)ご迷惑が及ぶコトも無いだろうし、そろそろ死蔵して来た(と言うほどのモノではありませんが…)自分のカットも大丈夫かな〜、と判断。ネタ枯れ期救済の意味も持たせ(もちろんこちらの方が重要なのですが…)、順次(というほどありませんが…)公開させていただくコトにいたしました…


(現在とはあらゆる面で、大きく現地の状況が変わっていると予想されます)
(※いずれのカットも両日の撮影ですが、一部掲載順と撮影順が一致していない場合があります)
【2005/11/21】

タイ・バンコクから1時間ちょっと。ヨメと降り立ったヤンゴン(Yangon/Rangoon)国際空港内で入国ゲートまで運んでくれるバス車中には、おなじみの「とまります」ボタンと「お降りの方は、このボタンを押してください」の文字が…。ちなみに外観は、まんま神奈中でした…


   
その日のうちにゴールデンロックテンプルとして有名なチャイティーヨパゴダ(Kyaiktiyo Pagoda)で泊まるため、ヤンゴンはほぼ素通りで古都バゴー(Bago/Pegu)へ(いずれは非鉄な旅行記も公開したいとは夢想して居ります…)。ここではヨメに「ちょっと途中のバゴーで『ついで』に見たいモノが…」とお願いしてありまして…


       
その「ついで」の場所へ、ガイドさんの先導で向かいます(次位はヨメ)。ミャンマーでは国情と交通事情、1日$30(当時)で日本語通訳をお願いできることを鑑み、やはり1日$30(当時)のドライバー付きチャーター車で空港まで迎えに来てもらいました。「ついで」は当時軍事機密扱いで事前発行の「撮影許可証」($50・当時)が必要な事から、日本とのメールのやりとりにてその手配もお願いしてありました。いま思えば値段設定の安さと安定した国外とのパソコン通信環境…、何らかのカタチで当時の当局の影響下にあったのかもしれません。完全自由旅行は限りなく困難でしたから、逆に同行してもらえばカメラをぶら下げて歩く人間には、無用なトラブルを避けるための保険になるという考えもありましたね $=USD




浮き草の下に錦鯉でも泳いでそうな丸池の上に何故か線路が…、ではなく ▼ 立派な現役転車台でした〜。車両も何だか、メーターゲージ版簡易軌道車両っぽい珍奇な雰囲気が漂ってます…
     




「ついで」の主目的はですね〜



当時バゴー周辺に残るのみとなっていたミャンマー国鉄(MR)の現役蒸気機関車(SL=Steam Locomotive)。もちろん「走り」が撮りたいワケですが、機関区関係者に聞き込みをしてくれたガイドさんによると「走るのは明日」ということで…



タンクと客車を牽引して走るらしき珍奇レールバスなど眺めまして、機関区を後にします



宿泊するチャイティーヨへの途中ということで、「明日」SL貨物の始発駅になるという情報を聞きつけたKYAIKKATHA駅でまた聞き込み。「時間はわからない(決まってない)けど出るよ」みたいな返事だったかと… ▼ こちらとしてはこんな所で、奥に鎮座する「お稲荷さん」に出会ってしまった事にも驚愕! しかも日本のものと寸分違わぬ雰囲気で…。ちなみにこの線、かの泰緬鉄道の取り付け部分になるそうで、かつてC56が走っていたことはほぼ確定。ならばこの通票閉塞機も…、と考えたものの、標記はすべて英語で、ウラは取れませんでした…


タブレットキャリア?
     
    
【ご参考】日本で21世紀まで残っていた通票閉塞機です


【2005/11/22】

で、チャイティーヨから下山して2日目。とりあえず運転情報は機関区で聞くのが確実、ということで、ふたたびバゴーを目指します。何にでもカメラを向けたがる私に、「はい鉄橋は軍事機密ですから気をつけてね〜」とガイドさん



バゴーへ着くと、いきなり側線にヤンゴン方面へ向け発車待機中のカマがいます。機関士に発車時刻を聞くため、ガイドさんが走ってくれています。いい人です ▼ 「何時に出るの?」「今!」みたいなやり取りがあったと思われ、ガイドさんが息を整える間もなく、煙を残し出発して行きました…
   




「いまの列車、追っかけは可能?」と質問すると、何とガイドさんは指令室? に乗り込みました。指令はその場でスジを引き「ヤンゴンまで無停車で行っちゃうよ」とのこと(ミャンマーの道路事情では追いつきません)。主要列車以外は閉塞が空くとスジを引いて列車を出す、といったノリのようです。石油高騰でヤンゴンまで臨時運用で蒸機を入れていること、昨日のKYAIKKATHAへ蒸機が向かい、夕方に戻ることなどを教えてくれました。指令? もいい人です



バゴーで本筋の大きな僧院などを見学の後、2本目の蒸機列車のためふたたび朝来た道を戻ります。途中「ヤンゴンでは艦砲射撃されるから(!・ほかにも占いで、などの説あり)」という理由で決まった現首都ネピドー(Naypyidaw)への遷都作業に従事する(ヤンゴンへの戻りの)軍のトラック車列に遭遇。冗談抜きで地平線まで続いてました…。トラック車種からも、中共(※別に人民は嫌いじゃありません。国家、政治体制に対する呼称です)の意向が非常に強い事が伺えますね…。最近の民主化移行、聡明にも「このままじゃ年々影響力を増す中共にすべてを食い潰される」と気付いたが故の政策転換ではなかったのかと私は考えています。ちなみに「撮っても?」と聞くと、「車の中からなら…」とガイド氏。だいぶわかって来てくれたようです…



途中主要駅のTHEINZAYATで蒸機に先行しているはずの混合列車に遭遇。ちなみにこの駅、現在では元キハ181系によるチャイティーヨ観光用臨時列車が、週末になるとヤンゴンから直通で乗り入れて来るそうです…



ポイント切り替えは普通のお兄ちゃんがやってました…
   



日も傾き始めたKYAIKKATHAで、2両目の蒸機は入換中


「組成済んだらすぐに発車」っぽいことを言われ、THEINZAYAT入線を狙うべく戻ります
     



THEINZAYAT入線

「おい、兄ちゃんたち入ってるぞ」とは軍人相手だから絶対に言えません。何しろランボー爺に超悪者扱いされてやられまくってた(未見のため『らしい』)人たちと同じ軍服着てますから…  木漏れ日が正面に当たります。煙室扉には木の枝が飾られ、カマが大切にされているのがわかりますね。オイルバーニングのため煙が薄いのが何とも残念!



THEINZAYAT停車中。石炭の焚き口はふさがれちゃってるんですね
       
       
     


   
     
発車時間が近づきました。子どもたちはSLではなく、私のカメラが珍しくて集まっています…


THEINZAYAT発車


停車中に日没。当時のデジカメでは本当に限界ギリギリな時間でしたね…
     



このカーブを曲がると列車は減速、私はカマ次位の車掌車(ハンモック、木炭炊事キッチン完備)? に飛び乗ります。何と、THEINZAYAT停車中にガイドさんが交渉してくれて、1区間のみ現役の蒸機列車に乗る機会を得たのでした。降りる際にガイド氏が心付けを機関士に渡そうとすると、「俺はそんなために乗せたんじゃない」と断るほどの誇り高き人物でした(最終的には受け取ってくれましたが…)。いや〜、どこまでいい人たちなんだろう?
   
     



     
下車駅からバゴーまで車で戻り、晩飯やシャワーを済ませてガイド氏と別れ、マンダレー(Mandalay)行き夜行列車でインレー湖(Inle Lake)を目指します。列車を待つバゴー駅の側線には、示し合わせたように先ほどの貨物列車が入線して来たのでした…

 ガイド氏が所属していたPLG旅行社は現在も盛業中のようです
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