まぁ掲示板にも書いたんですけど、道北地方も熱帯性気候かと思うようなスコールに見舞われる日々が続いておりまして、しかもやっとの夏休みの来週には、好きこのんで鉄道が無い南の島へ行くことになっておりますので、今月はおそらくゼロ鉄で終わると思うんですね。来月も特にこれといって鉄の予定もありませんし、それじゃあ毎日いくらか居る巡回して来てくれる方に申し訳ない…、というワケで、3年前のいま時分に撮っていた、旭川旧駅舎のカットをアップさせていただこうかと…。私自身、この駅舎には思い入れが強うございまして、国鉄全線乗り放題の「謝恩フリー切符」で初渡道を果たし、一気に「八甲田」〜羊蹄丸〜「北斗」〜「利尻」乗り継ぎで稚内へ入り、あとは18きっぷで東京までトボトボ帰る初日の宿が旭川駅の待合室でした(※本当は深川を予定していたが、待合室閉鎖を言い渡され戻って来た…)。つまり民営化初夜をこの駅舎で迎えたってことですね。その後、夏場に幌加内へ通う際には現在もそのまま残る、駅前のトヨタレンタカーの商用車を利用することが多うございました。何と言いますか、北海道での原点の一つの最期に立ち会えたのは、いまあらためて見返しても大変よろしかったなぁと感じております…
▲定番の駅前西武旭川店からの正面カットでございます。何と言いますか…、方角と周囲の建物の配置もあって、バリ順になることが(見たこと)無い建築物でした。左のJRマークが邪魔っけですね…(※意見には個人差があります)。右のホーム屋根上を延びるのは跨線橋ではなく…
▲もはやこの時期、遺産相当の名物になっていたテルハ(テルファー)でございます。もともとは郵袋や荷物などを運ぶための設備ですが、ニモレ廃止後は掃除の方々や現在もホーム立ち売りが続く駅弁屋さんが主に利用していたようです。バリアフリー施設代用としても使われており、「キャスター付きトランクが重いからから通せ」と言ったら渡れたのかどうかは…、不明です。一度やっておくべきでした…
▲もう一つ旧駅の名物といえば、多数の留置線を挟んだ南の端っこにポツネンとあった富良野線ホームですね。上砂川支線砂川、仙石線仙台もこんなんでしたか…。この時期はその留置線上に新駅舎ができていましたので、さらに疎外感が増しておりました…。しかし青空の下のホームってやっぱりいいね…、とこのカットを見ると思います
▲もうほぼ銭湯のペンキ壁絵のような書き割りも懐かしいアイテム。現在の新駅はお高くて、ここまでの「ようこそ」感は感じられません
▲ある時、現在はAEONに生まれ変わるため廃業(休業?)してしまった隣接するホテルに上がる機会がありました。HBC旭川タワー(勝手に命名)の鉄塔もランドマークでしたね。テルハもなかなかエロい場所から舐められましたよ(※こんなん撮ってるの自分だけでしたが…)…。できれば列車在線時に上がりたかった…
▲各所に灯りが入りまして、良い雰囲気です。この雑踏感こそ民衆駅!
▲駅入り口に鎮座されていましたニポポ人形。現在どこにあるんでしょう? あんまりゾンザイに扱うと祟られますよ〜、きっと(※ひょっとして最近のJR北海道の負の連鎖は………)。夏場の旧駅では軒先に寝袋に入った旅行者がゴロゴロしていましたっけね…
▲で、各ホームをつなぎます地下道へ。旧駅舎の使用開始は1960年(昭35)ですから、地下道自体はそれ以前から供用されてたってコトですね
▲天井低い上にパイプむき出しってのも、素敵な意匠…。この目では見たことありませんが、ステーションデパート口地下改札からの「富良野線ダッシュ」会場でもありました…
▲真鍮の手すりに壁タイル張り。営団地下鉄の駅なんかにも通じます。ありきたりな表現ながら、色んな人が、色んな思いを胸にこの階段を昇り降りしたんでしょうね〜
▲幾多の人の手により、塗膜を失い磨き出されて鈍く光る、プラットホームの手すり
▲ガラス一枚でホームと隔てられた待合室。かつての旧駅では30分ヘッドの特急が原則必ず在線していましたから、我々特殊な人種には、何時間でも過ごせる居心地の良い空間でした
▲上りも下りも長距離優等列車は改札隣接のホームに入る、これぞ北海道のターミナル駅ですね。新駅に切り替えられて一番利用客から出た不満は、「列車が遠くなった」だろうと思います
▲狭いながらも効率よく雑多な店が集まっていました。カット中では営業終わってますが、一力屋(廃業)のワゴン売り「いなきび大福」にはファンが多かったようです。最近、職場で「ロータリーに面していたパン屋どんな名前だっけ? 移転してないかな…」と久々に旧駅の話題が出たんですが、ググってみると何と「ベーカリーキヨスク(KIOSK)」だったことが判明!「確かにそんな名前だった」と盛り下がるコトに…。閉店間際の詰め合わせ投げ売り…、結構お世話になりました
【以上、撮影日時順不同】
▲旧駅最終日、旧新駅舎訪問ツアーも行われたようで、改札前コンコースも混み合っております。確かバブル期には、当時画期的だった一泊二千円台の旅館のでっかい行灯広告がここにあって、「いつかは泊まりたい」と思っていたものです…
▲駅から続く買物公園では、この年が初めてだった「食べマルシェ」開催中
▲ホーム隣接の駅内郵便局窓口も、この日は延長営業していたようです。いつもはカウンター上に置かれていた「スーパーカムイポスト」も、サービスなのかライト点灯してホーム側を向いてますね…
▲午後19時を過ぎると、一部を残して自動改札機などの取り外しが始まりました。ちなみに新駅ではどの列車に乗るにも、改札から3分程度かかります
▲午後21時以降の列車は運休しバス代行になるので、札幌行き「オホーツク8号」が旧駅最終列車。ガラケーで撮影ってのも時代ですね…
▲ずらりと並んだ各方面行きの代行バス。あまり利用者はいなかったような…
▲一夜明けまして、この日から旧駅は駅舎ではなく、通路の一部になりました…。いつの間にやらあらぬ方向に歩道が設置された旧ホームは、電灯代わりなのか照明が点けられたまま
▲新駅初列車は札幌行き「スーパーカムイ」ですが…
▲お隣には夜中の転圧運用に就いたDE15が2両停車中。「カムイ」続行で変8084 変8086列車が轟音とともに通過し、豪華国鉄型カマ3両の競演が見られました…
【2010/10/11】
▲新駅2日目も見物の人なんかで結構にぎわっています。旧駅は一気に廃線然となってしまいました…